「第二の人生がスタートしました」と笑って帰られた患者様の治療エピソード

仮歯、本入れ歯で総義歯を作られたK様の治療エピソードです。

K様のお悩みは、入れ歯を外すと歯が抜けるのが怖くてケアができない。
歯の状態が悪いことを感じ、ご来院に踏み切ってくださいました。

目次

カウンセリングは患者様のペースでお話しください

K様は歯医者が怖く、歯医者の近くを通るだけで動悸がするほどだそう。
別の歯医者でも怒られた経験もある事から、カウンセリング当初から不安そうでした。
先生=怖いという印象が強いようで常にうつむき、しくしく泣いていました。

なんとかお話を聞かせていただくと、入れ歯を外すと歯周病が悪化しているので歯が抜けるから入れ歯のケアができない。という事でした。

歯が固定されるほどの歯石・・・

実際にお口の中を見ると、歯石だらけになってしまっていました。
歯がグラグラしていて歯磨きが怖くてできないので入れ歯が歯石で隠れてしまっています。

治療しようと思ったきっかけは、歯の限界を感じたそうです。
一般的に痛みが限界で来院するでしょうが、それを通り越すくらいの限界。

使用できそうな歯も1本だけでした。
その他は、歯石でなんとかついている状態です。

歯周病の悪化から骨の状態は悪くなってしまっていた

歯石がついている⇒歯茎が炎症している⇒歯周病が悪化⇒骨がどんどん溶けている
ここまで放置してしまっただけあって歯茎の状態、骨の状態が悪化していました。

K様は歯茎が固くうすいため、入れ歯を安定させることが難しい状態でした。
本来、下の入れ歯を安定させるには、ぴんと張ったシーツのような歯茎よりウォーターベッドのような入れ歯がしずむ余裕のある歯茎の方が安定します。

しかし、K様の歯茎は入れ歯がしずむ余裕が無く、安定にかけてしまうのです。

食事はどうしていた?

恐らく、噛めるところを探しながら恐る恐る食事をしていたそうです。

もちろん食べ物もおかゆなどのやわらかいものだったとおっしゃっていました。

治療義歯(仮歯)でかみ合わせをもとの位置に修正

当院では本入れ歯を入れた時にスムーズに食事ができるよう、治療目的の仮歯を用意します。

K様も、正常なところで食べられるよう仮歯を使用していただきました。
仮歯を使用することによって、きちんとした噛み合わせに戻すことができました。

歯医者さん恐怖症は信頼関係と共に軽減

治療が始まり、抜歯をしているあたりから雰囲気が変わりました。
特別な事をしたわけではありません。

おそらく、歯医者さんの怖さはコミュニケーション不足に原因があるかと思います。
当院ではカウンセリング、治療に余裕をもってお時間を設けているため、とことん患者様のお話やご要望を伺います。
時には、泣いてしまう患者様もいらっしゃいます。

K様も抜歯をする頃には怖さもなくなり、抜歯がスムーズに行えました。
あんなに怖がっていた歯医者で歯を9本も抜きましたが痛みもなく、あっという間だったとおっしゃって頂きました。

第二の人生がスタートしました

こんなお言葉を聞けたときは満足して頂けたことが実感でき、とても嬉しかったです。

食事も、思ったようには食べられないですが何でも食べられるようになったとおっしゃって頂きました。
この言葉は入れ歯での食べ方として、とても深い意味を持ちます。
堅い物やフルーツもどんな食べ方でも食べられるわけではありません。
でも、薄く切るなど食べ方を工夫すればおいしく食べることができるのです。
あんなに歯茎の状態が悪かったにもかかわらず、「第二の人生がスタートしました」と笑って帰られました。

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