下の入れ歯が痛くて困っていた80代男性総入れ歯の患者様エピソード

上下総入れ歯は2.3か月前に保険で作った入れ歯だそうですが、通常の食事ができず、毎日おかゆを飲んでいる状態で、どうにかしたいとご相談がありました。

きちんとした食事がとれないことから体重も減ってしまったそうです。

患者様の主訴は下の入れ歯が痛い事、

噛んで食事をしたい事です。

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当院へご来院するきっかけ

ご家族がインターネットで検索したときに当院を見つけられました。

ホームページに、きちんとした仮歯が作れると掲載されてあったため、お悩みが解決できそうと思ったそうです。

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お口の状態

ご本人に詳しく入れ歯の状態をお聞きすると

・下の入れ歯の歯ぐきが痛い

・奥歯で噛もうとすると、入れ歯が前に滑る

ということでした。

お口の中を診させて頂いてまず考えられることは「入れ歯のかみ合わせ」に問題がある様でした。

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噛み合わせは上下合わせて整える必要がある

総入れ歯では、特に噛み合わせに問題がある場合は、下の入れ歯に症状が出ることが多いので、下の入れ歯だけが合わない、悪いと思いがちです。

やはり、この患者様も「下の入れ歯だけが合わない」とおっしゃっていたのですが、「上下は一対で噛み合わせですので、上下両方の入れ歯が原因で起きているトラブルです」とお話ししました。

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唾液がでない!?

上記の症状に加え唾液が出ないという訴えも有りました。患者様は複数のお薬を服用しており、その中には副作用で唾液の出が悪くなってしまうお薬もあったのです。

そもそも、本来特に総入れ歯は歯茎の上を滑らかにほんのわずかに滑って機能します。

ですので、唾液がないと入れ歯と歯ぐきがこすれてしまい痛みが出てしまいます。

ドライマウスと言って、ドライアイのお口版です。放っておくと歯ぐきに傷がついて炎症を起こしてしまうこともあります。

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ご提案

・お薬を変えられるかどうか、内科の担当医に相談してみる

・唾液の代わりになるクリームを試してみる。

・顎のマッサージを取り入れてみる

・最後に一番大切なこととして、噛んだと時に大きく滑らない様な噛み合わせの入れ歯に作り変えることをご提案しました。

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噛み合せも一人一人違います。また顎の動かし方にも癖が有ります。それをしっかり把握して、慎重にこの方に合った噛み合わせを付与した入れ歯を作らせて頂きました。当初の、「入れ歯が前に滑る」という症状は無くなり、痛みも無く硬いものも良く食べられるということでした。また良く噛めるので、唾液の出が良くなりクリームは使わずに済んでいるということで、大変喜んでいただきました。

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