入れ歯をすると発音しづらくありませんか!?発音障害を改善する方法

入れ歯デンタルクリニックの飯田です。

発音しにくい言葉はありませんか?

「入れ歯にしたら上手くしゃべれなくて、人と話をするのが億劫で悩んでいます。」というお話をよくお聞きします。今回は、解決方法を具体的にお話しします。


入れ歯で上手くしゃべれない2つの理由

 ● 不慣れな入れ歯のために、一時的な発音障害が出ている。

 ● 慣れだけでは解決しない、入れ歯に不備があり発音障害が出ている。

このどちらかであることがほとんどです。

一時的な発音障害に対する対処法は、上手に乗り越えた当院の患者様の体験が参考になると思います。

入れ歯に不備がある発音障害に対しては、

なぜ発音障害が起こるのか?

解決するにはどうすべきか?などを具体的にお話しします。

当院でも発音に困って来院してくださった患者様がたくさんいらっしゃいます。
治療エピソードでも紹介しておりますのでよかったらご覧になってみてください。



1、発音障害の原因

①発音障害を起こす場所は床の部分がほとんど!

入れ歯のピンク色の部分を床(ショウ)と呼びプラスティックに似た材料で出来ています。主にこの部分が発音に関係してきます。総入れ歯の場合、基本的には床が上あごを全部覆い、部分入れ歯は一部覆う感じです。

他に、部分入れ歯でしたら歯の上に乗るバネ(クラスプ)や白い歯(人工歯)も発音に関係することもあります。

②入れ歯を入れてお口の中の空間が変化したため!

入れ歯を着けると歯ぐきの部分が覆われるわけですから、必然とお口の中の空間の形は変化し狭くなります。

発音において、母音は入れ歯をしても、舌は入れ歯に当たることは殆どなく、呼気が口から出ていく時、その流れは妨げられないので発音障害は起きにくいのですが、子音の発音は、複雑に舌で調節して音を出すため、発音障害が起きやすいのです。

この場合は、入れ歯がまだ慣れていない場合、入れ歯に不備がある場合の両方で起きます。

③発音しやすい入れ歯になっていないため!

入れ歯は、歯科技工士が手作業で作るので、厚さや、デザインにばらつきがでます。最終的には歯科医師がチェックするところです。

a.保険診療で入れ歯を作った。

b.発音に重きを置いていない入れ歯治療。

c.入れ歯を入れるご本人のお口の中の構造に原因がある。

このような場合、発音が考慮されない、または発音に問題が出ることが有ります。

※すべてではありません

(費用の高低が、直接影響するわけではありません。)


 

2、一時的な発音障害のトレーニング方法

ほとんどの方は「2~3日で慣れ、1週間もするとほぼ問題なく話せるようになりまました!」とおっしゃいます。心配はいりません。

さらに使ってみて、改善の兆候が見られなければ、入れ歯の不備を疑ってみること

も必要でしょう。

 

少しでも早く慣れたい時にできるトレーニング法

例えば、

入れ歯を入れたまま、お口の周りの筋肉、舌の体操をする(パタカラ体操など)

沢山おしゃべりをして、質より量で慣れる!

歌を歌う!

これらは実際に当院の患者様により実証済みです。是非試してみてください!

 


 

3、慣れだけでは解決しない発音障害が出る入れ歯の対処法

一週間たっても、上手くしゃべれないようでしたら、入れ歯の不備を疑ってみて下さい。

①特に発音しづらい音は?

入れ歯を入れた時に発音しづらいのは、子音だと思います。

子音は、お口の中で歯、上あご、舌でできる空間のどこかに舌を適正に接触させ、息の吐き方を様々に変えて音を作っています。

つまり、音によって舌が接触する場所と面積が決まっていて、入れ歯のその部分が厚過ぎたり、薄すぎたりして適正な接触状態が作れないと ”しゃべりづらい” という発音障害が出ます。

 

②発音しづらい音を見つけることが解決の近道

特に発音障害が出やすいサ行、カ行、ラ行を順番に発音していき、発音しづらい音をチェックし、かかりつけ歯科医にその旨を伝え、それに合った調整をしてもらうのが一番の方法です。

③主な発音障害を起こしやすい音&その場所

ヒ、シ、チ:小臼歯、大臼歯の歯と歯茎の境目辺りに舌が接触する時の接触面積の

不良

タ :前歯、小臼歯、大臼歯の歯茎の境目辺りに舌が接触する時の接触面積の不良

カ    :大臼歯付近に限定した歯と歯茎の境目辺りに舌が接触する時の接触面

積の不良

キ    :上の総入れ歯で、入れ歯の後縁の厚みが厚過ぎる

ラ    :主に上あご側の前歯と歯茎の境目辺りと舌の接触面積の不良

 

 摩擦音のサ、ザ、ハ行

破裂音のタ、ダ、カ行
発音障害の起きやすい音で、入れ歯の影響を受けやすい音です

後続母音がイのシ、ジ、ヒ、チ、キ

これらは特に舌の高さが高いところにあり、
音を出すための空間が狭まるため発音障害が起きやすいのです。

ヒの発音

上顎側で、舌が小臼歯、大臼歯の歯と歯茎の境目付近に適正に接触でないと発音障害がでます。

摩擦音のシ

破裂音のチに聞き間違えられ、ヒはシに間違えられやすくなります。

キ&ギ

舌後部後縁が上顎の後方に接触するため、入れ歯の上顎側の奥が厚すぎるとこの音の発音障害が出ます。

サ、ザなどの サ行

発音する時は、舌中央部を陥凹させて、舌の端を犬歯より奥の歯全ての 歯と歯茎の境目付近に押し当てて、舌正中部と上あごとの間に隙間を作り呼気を強く吐き出して子音を発音します。この時、上の入れ歯の前方部の形態が平らすぎたり陥凹しすぎたりすると、舌と入れ歯との間にちょうどいい隙間が出来辛く、S音を上手く発音できません。解決方法は、この部位にはS字状隆起と呼ばれるS字状のカーブを入れ歯につけてあげると、S発音時に、適正な隙間を作りやすく上手に発音できるようになります。

摩擦音のシ・ヒ

特にシは破裂音のチに聞き間違えられ、ヒはシに間違えられやすくなります

後続母音がイ段のチやキなど

上記の音は、個人差はありますが、1週間しても慣れず発音しにくければ、

ピンクの床の厚みを薄くして、舌が自由に動くことが出来るように調整して

もらったり、

床縁と歯との間を、出来る限りスムーズに移行的な形にして呼気が流れ易くする、

などの調整をしてもらうと良いでしょう。

これらを参考に発音しづらい音を限定してから歯科医に相談すると、改善される確率は高くなり、「じきに慣れますよ」と言われてしまう危険はぐっと減るでしょう!

 


それでも改善しないときは

入れ歯の発音に詳しい歯科医師に相談する

発音しづらい音を見つけ、かかりつけ医に相談しても改善されない場合は、
入れ歯の発音に詳しい入れ歯の専門医に、直接相談するのが良いと思います。

当院で治療された患者様の治療エピソードも良かったらご覧ください。

 


 

まとめ

入れ歯を入れることにより発音障害がでている場合は以下の2通りがあります。

1、不慣れな入れ歯のための、一時的な発音障害の対処法

 1週間ぐらい使ってみて、改善の兆候が見られなければ、入れ歯の不備を疑って

 みることが必要かもしれません。

2、慣れだけでは解決しない発音障害が出る入れ歯の対処法

発音しづらい音を見つけ、かかりつけ医に相談してみましょう。それでも改善されない場合は、入れ歯の発音に詳しい入れ歯の専門医に、直接相談するのが良いと思います。

当院ではパラトグラム試験という発音試験を取り入れています。

この試験に基づいて入れ歯を調整することにより、慣れない入れ歯でも自然な発音で話すことが可能です。

また、入れ歯の治療前には必ずカウンセリングを行います。

患者様が「入れ歯デンタルクリニックなら安心して任せられる」と思っていただけるまで、親身にお話しさせていただきます。
※当日およびその後、こちらからこちらから強くお勧めする事はございません

入れ歯の発音でお悩みの方はぜひ、ご相談ください。

当院のカウンセリングを希望される方へ

 

2019年6月5日 更新

入れ歯デンタルクリニック 院長 飯田



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