総入れ歯にならないための根本的なお話

あなたはお口の中に何本歯が残っているでしょう?

歯周病や虫歯が心配ですよね。

今回は総入れ歯にならないための歯周病、虫歯の根本的な予防法をお話しようと思います。

現在、あなたの街で行われている歯周病、虫歯の予防は根本的な予防法ではありません。

こんな風な言い方をするとおかしな人間かなと、お思いになるかもしれませんが、まあ、聴いてください。

現在、予防歯科と呼ばれるところで行われていることは、
年、数回の口腔内の歯周病検査と、虫歯の検査、それを基にしたブラッシング指導、スケーリングと呼ばれる歯の表面の掃除までが予防で、すでに悪くなっているところは治療ということになります。

ブラッシングとは
歯の表面についている歯周病菌やむし歯菌が
悪さをする前に上手に除去しましょう、ということです。

しかし、上手に完全に除去されれば良いですが、悲しいことにそれは稀なことなのです。
確かに昔に比べ、歯周病も虫歯も減りました。
ですが、まだまだそれらで困っている方はあふれています。

では、おかしな例かもしれませんが考えてみてください。

ある地域にネズミが大繁殖しました。天敵はいません。
ネズミによる被害で人々は困っています。
駆除をするのですがなかなか減りません。次から次へと子もでき、増えていきます。
そうしている間にもネズミの被害は続きます。

どうすれば良いと思いますか?

もっと頑張って駆除に励みますか?

問題は、なぜ大繁殖が成り立っているのかです。

そうです、それだけのネズミが生きていけるえさエサがあるからです。
エサが豊富に有ればどんどん増えます。

エサがなくなれば、おのずと全体数も減ります。
わずかなエサで賄える匹数は限られているのです。

この例え話では、
ネズミは歯周病菌、虫歯菌、
駆除はブラッシングや歯のお掃除

そして、歯周病菌、虫歯菌のエサは “炭水化物中の糖質”です。

日々どんどん歯周病菌・虫歯菌に、エサを与えて毎日菌数を増やしながら、一方ではその害に怯え苦しみ、一生懸命その排除に精を出す。

なにか矛盾しているように思いませんか?

歯周病・虫歯の根本的な予防法は、それらの菌のエサを減らすことです。
さんざん、増やしてから除去するのは効率も悪く、お口のなかに既に悪影響が出てしまっています。

現在、食事において炭水化物(糖質)を減らすことが、生活習慣病の改善になることは明らかですが、

歯周病・虫歯の予防にも、同じように食事で炭水化物(糖質)を減らすことが、菌の繁殖を抑制する意味で、歯周病の根本的な予防法、改善法であると言われ始めています。

繁殖した菌を除去するのではなく、繁殖させないことが根本的な解決法です。

もう一つ前者とともに大切な私の予防の概念についてお話します。

近年、冬になり、かぜが流行すると、テレビでは小学校の子供たちの手洗い風景映像がながれ、手指の消毒やマスクの着用、人混みを避けましょうとまでもアナウンスし始めます。

結局は、かぜをひかないように、予防しましょうと言っているのですが、私はいつもそれに違和感を覚えます。

それが予防でしょうか?
私が子供の頃は、こまめな手洗いなど全く気にせずおやつにかぶりついていました。
もちろん手を洗うようには言われていましたが。

泥だらけになって遊んでいても、今の子供たちよりずっと元気だった様な気がします。
何が言いたいかといいますと、前者と違った角度から予防を考えますと、

人間には免疫力という細菌に対する防御機能が備わっています。
すこしでも体に入ってくる菌の数を減らそうと躍起になるのではなく、強い免疫力を付けることの方がより重要なはずです。

子供たちに完璧な手指の消毒を求めるより、バランスのとれた栄養・食事と運動による強い免疫力を備えた健康なからだを作る指導のほうが何倍も大切であるべきです。

お口の中の健康も同じです。

例えば、アトピー性皮膚炎を肌の材料不足ととらえるように病気を薬ではなく栄養で治そうという内科の医師の団体があります。

歯周病も歯茎の材料不足、栄養不足による免疫機能の低下が根本にあると思っております。

あなたが、歯周病で悩まれているのでしたらご自身のからだ全体の健康を考えてみてください。
からだは健康でしょうか?
からだは完璧なまでに健康ですが、お口の中はボロボロです、なんて方はいません。

お口の中の歯茎はからだの一部です、決して別物ではありません。

当院は、歯周病をからだの内側から、栄養素・食事で治す食事指導、サプリメント外来をやっています。

歯周病・虫歯の根本原因を考え、歯周病菌に負けない強靭な免疫力と歯ぐきをつくりましょう

参考になれば幸いです。

ハート歯科クリニック 院長 飯田和雄

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