前橋・義歯專門歯科です。
口元のシワは老けて見えてしまうことがあるので、特に女性にとっては大変気になるところです。
年齢とともに、ご自身の天然歯がまだ残っている方でもシワが目立ち始める方はいらっしゃいますので、
歯を失ってしまった方はなおさら、シワの大きなリスクを背負っていることになります。
今回のお話は、2〜3歯の少数の歯の欠損の方よりも、総入れ歯に近い多数歯欠損の方に有用なお話です。
結論
適切な入れ歯を入れれば、完全に消えることはないがある種のシワは薄くなります。
口元のシワの種類
①ほうれい線
②鼻下の縦ジワ
③マリオネットライン
④下唇下の梅干ジワ
口元のシワの原因
①年齢による表情筋、口元周囲筋の衰え
②歯の欠損による口元周囲筋の衰えとボリューム不足
③噛み合わせによる問題
④乾燥等
適切な入れ歯を入れることにより直接効果が出やすいシワ2種類
1、鼻下の縦ジワ
2、下唇下の梅干しジワ
1、鼻下の縦じわ
特に、前歯の欠損による口元周囲筋の衰えとボリューム不足による縦ジワには直接的な効果があります。
鼻下が入れ歯により膨らむことでシワが伸びる場合と、適正なボリュームが出ることで口元周囲筋が活性化されシワが改善される場合です。
適切な入れ歯と書きましたが、歯科医が通常通り作った入れ歯では効果はあまり期待できません。
つまりシワを伸ばすことを意図した入れ歯のデザインでないと、効果は出ません。
方法としては、ボリューム不足により縦じわが起きている方は、その部分の入れ歯の厚みを増すことで、しわを裏側から支え伸ばすという方法です。
しかしそこで重要なことは、「自然感」と「機能に支障をきたさない」ということです。
患者様との念入りなお話し合いが不可欠で、厚すぎてボリュームを付けすぎると鼻下が膨らみかえって滑稽な口元になってしまいますし、
口元周囲筋と調和が取れない場合は、入れ歯が外れる、違和感が出るということにもなってしまいます。
2、下唇下の梅干しの種状じわ
このシワは他のシワとは少し毛色が違います。
歯並びや、噛み合わせ異常により唇が自然に閉じられない方に起きます。
口を閉じる、つまり上下の唇を合わせようとした時に、オトガイ筋という表情筋の一つに通常かからない力がかかり、
プツプツとした凹凸が出現します。
正常な方はグッと力を入れれば出現しますが、
例えば口元自体が突出している方とか、歯並びが悪くて、出っ歯状態になっている方は
普通に口を閉じようとしただけで出現してしまいます。
ちょっと思い出してみて下さい、親御さんによく「口を閉じなさい!」と頻繁に注意されていなかったか!?
そう言う記憶がある方は歯並びに異常がある場合が多く、口を閉じるたびに梅干じわが出現します。
入れ歯治療はこの梅干じわの改善に特に有効な治療です。
しかし、ある限られた条件の方にのみ有効です。
それは、総入れ歯の方です。
高校生ぐらいまででしたら矯正という方法があります。
専門的な話ですが簡単に言いますと、口の中の高さや前後的な歯の位置に問題がある方にプツプツとした梅干の種状のシワが出現します。
それを改善する方法は矯正でも難易度の高い治療になります。
口の中の高さや前後的な位置に問題があるのですから、その問題をリセットクリアーできれば梅干じわの出現はなくなります。
リセットとは歯が全て無くなることです。
ですので優秀な総入れ歯に出会うことができれば、口元の雰囲気は生まれ変わったように改善され、
プツプツ梅干じわは異常には出現せず、元の貴方の口元より美しくなる確率は相当高くなります。
歯を全て失ってしまうことはとてもお辛いことですが、良い一面もあるのです。
ほうれい線/マリオネットライン
これらは、適正な入れ歯を入れることにより間接的に効果が出ることを期待するしわです。
鼻下の縦じわのように、入れ歯を入れることでボリューム不足を解消し即効果が出るというわけにはいきません。
実は、ほうれい線、マリオネットラインと入れ歯の部位には距離があり、即行性を求めると入れ歯を相当大きくしなければいけません。
即効性が出るまで大きくすると、今度は入れ歯の機能面で「外れやすい」「違和感がある」など支障をきたしてしまいます。
そもそもほうれい線、マリオネットラインの原因は、
加齢により表情筋の衰えが原因で重力に対して下垂が起きている状態
歯の欠損による口周囲筋の衰えとボリューム不足
ですので、入れ歯治療でできる事は、適正な入れ歯により最適なボリュームを付与し、表情筋、口周囲筋の鍛錬及び回復により、
ほうれい線およびマリオネットラインが浅くなることを期待することになります。
まとめ
日常の治療において、この4つのシワに対して改善を試みる挑戦は無駄ではありません。
鼻下の縦ジワ、顎の梅干しジワは劇的に治療結果が出ますが、
ほうれい線、マリオネットラインは、入れ歯のデザインにより短期間で直接改善できるケースは少ないでしょう。
よく噛んで長い期間をかけて口元周囲筋を回復させ、シワを目立たなくさせることを期待するか、
美容外科にご相談してみるのが良いかもしれません。
最後までお読みいただき有難うございます。